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ルテインのう胞

卵巣のう腫でも特殊なもので、妊娠中に急に出現し、ある時期をこすと自然に消えていく卵巣のはれ、です。

卵巣は、排卵したあと黄体というものが形成されます。
この黄体とは、エストロゲンとプロゲステロンという、女性ホルモンを分泌するために作られるのです。その目的は、受精がうまくいったときに、受精卵を育てる助けをするために、子宮内膜に信号をおくるのです。
ただし、ほとんどの場合は妊娠は成立せず、黄体はだいたい2週間前後くらいで自然に退縮してしまうため、子宮内膜もはがれて生理がきます。
しかし、妊娠がうまく成立したときは、将来胎盤になる組織から、HCGというホルモンが分泌され、このHCG黄体を簡単に退縮しないように(=流産防止のために黄体に働きかけてくれるのです。
ときに、このHCGの刺激によるちょっと過剰な反応で、黄体に水分がたまって卵巣がはれることがあります。
これをルテインのう胞といいます。
ですから、ルテインのう胞自体はそれほど大きな病気ではありません。一般的には6センチ以下のことが多いです。
HCGがピーク(だいたい妊娠8週〜10週くらい)をすぎるとそれに伴ってだんだん小さくなってきます
ただし、ひとによってその反応が異なり、非常に大きくなるひと(直径7センチくらいをこしたり)などもあり、ある程度以上大きくなると、普通の卵巣腫瘍と同じで破裂や茎捻転をおこします。
こうなると緊急手術が必要となるのです。

ただしこのようなことは非常にめずらしく、まずほとんどは無症状で基本的には様子観察となります。
ただし、妊娠されて初診のときに、卵巣のう腫が見つかった場合は、ルテインのう胞かあるいはそれ以前から発生していたものか区別がつかないときがよくありますので、必ず定期的な様子観察が必要となります。

だんだん縮小

ルテインのう胞

MAX

16週

10週

8週

4週

尿中HCG量

安定期

10000単位

HCG

5000単位

妊娠週数